ジークフリートの遊ぶログ

そそっかしくて、キーボードタッチのミスに気が付かないことが多く、過去に投稿した記事も観直しながら編集しています。

愛していると言ってくれ 第4回より 疑問編

 
TBSドラマ「愛していると言ってくれ
  
 
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放送:1995年7月7日~1995年9月22日(毎週金曜日)
原作・脚本 北川悦吏子
出演:水野紘子   常盤貴
    榊晃次     豊川悦
    榊 栞     矢田亜希
    矢部健一    岡田浩暉
    吉田マキ    鈴木蘭々
 ・・・
  
手話が登場するドラマの場合。セリフを“手話”で表した時、
 
・役者の手の動きと共に画面下にたいてい字幕が表れる。
・聾者を演じる役者の手話を観ながら対面している共演者が、その手
   話を読みとりながら、同時に代わりに喋る。
・手話を使う側が健聴者であれば、手話をしながら喋る。
 
のいずれかである。
 
脚本家は、手話に合わせたセリフを書いてくれるわけでもないので、手話指導者がセリフに合った手話を考える。
しかし、難解な言い回しの場合、セリフの流れと手話が合致しないことがある。
そればかりか、手話をしているにも関わらず、字幕がなく、且つ対面の共演者も代わりに声に出してくれていないシーンも時々ある。
 
そんなシーンについて、自分の手話への向学の意味もあり、以前、このドラマの中で使われている手話について、偉そうに解説を試みたのだがこの度、質問を頂いた。
 
豊川悦司演ずる耳の不自由な青年画家・榊晃次の手話が読みとれない、というもの。
字幕もなく、代わりに意味を述べる共演者のセリフもない、という。
 
もっと早く記事にしたかったが、時間がとれなくて手話サークルにディスクを持ちこめず、また画像が途中で消えるなどパソコンの不具合が発生したからであるが・・・
  
そのエピソードがこれ・・・
 
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 第4話「キッス」
  
容量が大きくなったので、記事を2回に分けさせて下さい。
   
問題のシーンは、榊晃次と水野紘子のデート中。
 
以下、上から順に、左から右へと流して下さい。
 
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 字幕が出てません。
 
晃次「キミはいつも〇〇〇〇」
 
そこで紘子が、晃次の手話をマネします・・・
 
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・・・晃次は笑うだけ
 
結局・・・
 
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 ・・・字幕でも出てますが
「全然、違う」
と、 晃次は返します。
  
ただ、それだけです。
  
続いて、次のカットに移ってしまいます。
 
観音崎に到着したのでしょう。散策道で紘子は問います。
 
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 ②と③の冒頭が同じ文章になってしまいました。修正する余裕がありませんでした。
 
拡大してみました。
 
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 言葉の順序が逆になりますが
 
「(意味は)あきらめて欲しい」
 
と、晃次が示したのを読みとったのなら、紘子の
 
「ひどーい!」
 
と言ったのが頷けます。
 
※手話のイラストは、全日本ろうあ連盟発行の『わたしたちの手話』を引用しました。
  
少し戻します。
  
紘子の
 
「ひどーい!」
 
からです。
 
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この後にサブタイトル通りの出来事が起こります・・・
 
結局、晃次はバスの中で紘子に何を言ったのでしょうか?
 
質問者さんは、
 
“いつも遅刻している”と読み取ったそうです。
事実、紘子はいつも遅刻しています。
 
私は、字幕が付いてないのに気かつかず、
“キミをいつも見失いそうだよ”
と読み取っていました。
 
もう一度・・・戻ります。
 
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・・・手のひらを近づけながら握りこぶしを作ってます。
 
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 ・・・これは、消える、消滅する、解消する、などの意味があります。
 
つまり、紘子の奔放な性格に晃次は着いて行けず、いつも振り回され見失いがちになっている、と私は踏んだのです。
 
「僕は、いつもキミを見失いそうになるよ」
 
だと思ってたのです。
 
・・・が、次の動きに気がつきました。
 
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・・・作ったこぶしを引き離しているのです。
 
だとしたら“見失う”の読みとりは違ってきます。
 
それなら、晃次は何を言ったのだろう?
  
改めて時間を遡ってみました。
  
先ず、晃次が紘子をデートに誘うところからです。
 
紘子は公園の売店でバイトをしているのですが、晃次が行った時、まだ彼女は来てません。
  
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同僚の吉田マキ(鈴木蘭々)は困惑してしまいます。
しかし晃次は慣れたもので、手帳に筆談でマキに伝えます。
 
“いつもの遅刻”だから気にしていないよ、と。
 
もし、彼女が来たら、この手紙を渡して欲しい、と晃次はマキに託します。
 
仕事が終わると、マキは紘子に預かった手紙を渡します。
  
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売店の終わる時間に公園の橋を渡って三つ目の公衆電話の所で待っている どこか行こう”
 
とあります。
 
喜び勇んで紘子は公園内を駆け抜けます・・・ 
 
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 ・・・晃次はデッサンで使うブロアブラシを紘子に投げて居場所を教えます。
 
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・・・遅刻したことに反省しているような態度の紘子。
ブロアブラシを晃次に返そうとします・・・が、
 
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 ・・・ブラシをシュポシュポ潰して、風を出し晃次に向けます。
 
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 ・・・容赦なく風を出し続ける紘子。
追い駆けごっこの二人・・・
 
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・・・ようやく、何処に行こうか、と歩道橋で場所を相談しています。
 
展覧会が希望だった晃次なのですが、結局、二人が行った所は・・・
  
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 ・・・動物園
 
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・・・晃次は手話をやってますが、ここでも字幕はありませんでした。
立てた右手の親指と薬指。
 
親指が男、薬指が女を示し、軽く手首を振っている。広い意味で“人々”
左の掌は家の屋根を表している。屋根の下の男と女で“家族”
 
晃次は
 
「あれは家族だな」
 
と示している。さらに・・・
  
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 ・・・続いての手話。
掌を下に小さく円を描いている。
頭をなでる仕草から意味は“子ども” 
 
「子どもの猿だな」
 
と示している。
 
動物の次に園内の売店を巡る二人・・・
  
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 ・・・ヨーヨー売り場から
 
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 ・・・花火売り場へ
 
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 ・・・一袋500円の花火。
紘子が自分の財布を探している間に、晃次が払います。
 
そして・・・
このシーンに切り換わります。
 
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・・・今回はここまでです。
 
次回、解決編となればいいのですが、まだ写真の整理がついてません。
 
今の段階で、まだサークルに行けてませんが、職場の手話を知る人に、晃次の動きを示すと、やはり意味は
 
『消える』
 
じゃないの、と言われました。
 
写真の整理に時間がかかりそうです。
次の記事まで2~3日待って下さい。