映画「猿の惑星 新世紀」
映画「猿の惑星 新世紀」を観た。
副題の『新世紀』には“ライジンク”とルビが打ってある。
パンフレットより
前作は「猿の惑星 創世記」
『創世記』は“ジェネシス”とある。
“ジェネシス”とは、製薬会社の名前。
人間の為のアルツハイマー対策新薬。実は、猿には無害だが、人類には生命を脅かすウィルスがあるという副作用があった。
近所とのいさかいをきっかけに保護センターに隔離されてしまう。
彼は、人間とは相容れぬ存在だと自意識が生まれ、同じ隔離されている仲間の猿達と共に大脱走。
自分を愛し、己も慕っている育ての親である人間とも袂を分かち、自らの運命を仲間たちと切り開く決意をする。
以上が、前作『創世記』の主なストーリー。
今回の『新世紀』は前作から10年後を描いている。
ウィルスが全世界に蔓延し、地球上から人類か激減。生き残った人間達と、独自でコロニーを作って集団生活をしている猿達が戦いを始めるのが今回のストーリー。
“ライジング”つまり、夜明けであることから本格的なドラマはここから始まると言える。
前作で、猿達を率いてリーダー・ボスとなったシーザーは、メスと一緒になり息子を授かっている。
猿同士は“手話”を用いてコミュニケーションを取っている。これはかつて人間がコミュニケーションを取ろうとして猿に教えたもの。
しかし、脳の発達により人間の言葉で発語出来るのもいる。遺伝により2世となる猿も発語が出来る。
この映画に登場する猿たちは単なるCGではない。
役者達が着ぐるみを着用しているわけでもなく、キャプチャーモーションという技術によるもの。
シーザー役のアンティ・サーキス
役者が動き、目の動きも含め、細かな表情を後に加工していくのだ。
シーザー
オランウータンのモーリス
アニメで言う、ライブ・アクション・モデルのようなものか?
人の動きに合わせて絵を描くやり方なのだが。
ディズニーアニメ映画では、この技法で細かな絵の動きを可能にしている。
「猿の惑星」(オリジナル)と言うと、メーキャップに優れていたが、やはり直立二足歩行の人間が演じているに過ぎない、と制作技術の限界を感じてしまうのだが、新作を拝見すると、本物の猿が演じているようにしか見えない。
いや、全てが人間の演技とキャプチャーモーションとは思えない動きもある。
森の中の木々を飛び渡るのはワイヤーアクションでも不可能。
やはりCGもある。
1968年「猿の惑星」
1968年公開のオリジナル「猿の惑星」は驚愕のラストシーンが有名。
核戦争によって人類の文明が滅亡。代わりに猿がとって変わる、と言うゾクっとする展開だった。
新作では、リアルな猿達が描かれていたが、人間との戦いでは何だか猿達の方に肩入れしたくなる。
人間が、如何に下等で醜い存在なのか思い知らされる。
人間の手で愛情たっぷりに育てられた猿。
人間の手で虐待を受けた猿。
その違いも見受けられる。
実に人間社会とよく似ている。
ドキッとするこの名言!
これからどう展開していくのか期待出来る映画だった。
実は、前回の「アバウト・タイム」よりも前に観たのだが、次のネタの都合上、こちらが後回しになてしまった。