ジークフリートの遊ぶログ

そそっかしくて、キーボードタッチのミスに気が付かないことが多く、過去に投稿した記事も観直しながら編集しています。

キカイダー REBOOT

 
上映が始まったばかりで、いささかネタバレを含むとして、記事にアップするのをためらっていが、今回は早くに紹介したい衝動に駆られた。
  
キカイダー REBOOT」を観た。
 
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               チラシ 
 
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     パンフレット
 
土曜日の夜8時から、NET(現:テレビ朝日)系列による放送だった。裏番組のTBSではドリフの「全員集合」をやっていた。
夜8時からの放送なので、大人も楽しめる内容なのか?と思ったものだ。
 
正義の青と、悪の赤の両方を持った不完全なアンドロイド。良心回路を持った不完全な人間。ロボットと人間の間で揺れ動く主人公・ジローの悲哀・・・
いかにも造型モノだと思わせる動物をモチーフにしたロボットとの戦闘シーンなど、特撮部分のみ観ていると気付かないが、実はドラマの奥底には哲学的な概念が漂っている。
 
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キカイダーと言えば、顔半分がスケルトンで機械がまる見えの斬新なデザインが驚きだった。
児童向けを意識した覚えやすいネーミングでもある。
  
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ちなみに当時のスーツアクターはこの方。「バトルフィーバーJ」や「電子戦隊デンジマン」に出演。「宇宙刑事ギャバン」を演じた大葉健二さん。
  
この「人造人間キカイダー」が今回リメイクされる、と聞いた時、正直あまり期待はしなかった。
これまで劇場版の「スーパー戦隊」や「仮面ライダー」で過去のヒーローがいくつも復活した。今回もまた児童が観ても楽しめるように、媚びた感じのチープで、お祭り騒ぎ的なストーリーになっているのではないか?と懸念していた。
しかしながら、先日放送された「仮面ライダー鎧武」にゲスト出演した時のエピソードを拝見した以外、全く先入観を持たずに臨み、ストーリーを想像する未知数のボルテージを上げていたのも事実だった。
 
実は、もしリメイクされるなら、最低これらの条件は満たさないと許さない…
と勝手に決め込んでたことがある。
 
・主題歌を使用(シンガーは現代風なのは仕方ない)
・ジローが奏でるギター。
・良心回路を苦しめる悪魔のメロディーの使用。
光明寺博士が出るなら、プロフェッサーギルも登場。
・主役だった伴大介さんを出演させること。
・変身する時はやはり両肩にあるスイッチを押すこと。
  
当時、プロフェッサーギルは狂喜じみた風貌だったが、現代風にアレンジされたマッドサイエンティストになっているのは仕方ない、と覚悟した。いや、あの安藤三男さんと同じ風貌だと却って不自然かも・・・と思いつつ・・・
 
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         42年前のプロフェッサーギル
  
本日、午前9時20分からの上映。平日でしかもこんな朝早くの上映にも関わらず、私以外にも客が数人いた。どう見ても、50代以上、更には定年退職されたかのような男性もおられた。
うーん・・・当時、ドリフを見ずに「キカイダー」を見てたクチだな・・・と思った。
 
中に入る時、入場者特典として栞が貰える。
 
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 角度を変えると、絵柄が変わって見える懐かしい仕組みの栞が三種類。
※うまく撮影が出来なかった。
 
右端。そう、ハカイダーも登場するのだ。
 
ハカイダーと言えば、主人公・キカイダーを超えるかのような人気があった。
 
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私が持っているキカイダーを特集したテレビマガジンの特別号。
表紙はキカイダーを差し置いたデザインになっているほど。まだ昭和の時に買ったもので、今回20数年ぶりに手をとった。
ハカイダーの脳は光明寺博士のもので、血液交換が必要だったな…と思い出した。
  
映画のキカイダーは42年前のレザースーツに機械模様を描いた、いかにも着ぐるみ彷彿させるものでなく、メタリックで硬質、リアルな造型だった。
  
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          42年前のキカイダー
 
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          今回のデザイン
 
デザインは村枝賢一さん。漫画「仮面ライダーZX(ゼクロス)」の作者。
金属ボディにワイヤーアクションは迫力があった。
  
そして・・・
 
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伴大介さんも出演されているのだ!
役名は伏せます。
 
キカイダーを演じるジローは
 
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かつてのジローのようなデニムの上下ではないコスチュームだが、赤と青が強調されていてこれはこれでいいと思った。
 
演じた彼、入江甚儀さん。機械・ロボットであるがゆえに笑わない、怒らない、泣かない、という無表情の演技を期待していたが、思った以上に応えてくれたように思う。
出来れば、視線を変更する時は目を動かさずに首だけ、或いは目だけを動かす・・・という演出をもっと強調して欲しかった!
 
現代の社会にロボット(人型アンドロイド)を必要とするリアルな設定。決して現実離れした空想の世界の物語ではない。
人間には感情があり、その潜在能力は測り知れないものがある。
一方、ロボットはインプットされた範囲のものでしか能力を発揮せず、規制された行動しか起こさないが、もし予測不能な事態に陥ったら、ロボットであっても自分の意思で行動するのか?自我や感情を持ったロボットはもはや不完全である、と言う、何処か哲学的な要素が含まれる大人向けにアレンジされた内容だった。
 
そして、登場する人物の名前から類推される今後の展開。また本当の黒幕の存在。だから、ひょっとして続編も作られるんじゃないかと思わせる後味・・・
 
このまま、人か?機械か? 完全な人間はいないが、完全なロボットもあり得ない、という世界観を残したまま、続編が期待出来る久々のリメイク版を観た感じがした。
 
多くの情報が既に流れていると思うが、出来るだけネタバレしないような記事にしたつもりです。
 
劇場で観るのが難しくても、DVDなり、テレビ放送を待って、一杯飲みながら大人目線で観るのも乙だなと思う映画だった。