ジークフリートの遊ぶログ

そそっかしくて、キーボードタッチのミスに気が付かないことが多く、過去に投稿した記事も観直しながら編集しています。

美輪明宏 「黒蜥蜴」と「ヨイトマケの唄」

 
この記事は本来、今年の6月にアップするつもりだったが、公私ともに忙しくて、後回しにしていくうちにお蔵入りになっていたもの・・・
 
先週「海援隊トーク&ライブ」に行ってみて、そこで聴いた「母に捧げるバラード
その歌詞にある
 
♪今も 聞こえる あのあふくろの声・・・
 
このフレーズが実はある唄のバクリだと公言されているのを思い出し、それでこの記事のことも思い出し、撮影済みの写真を掘り返し、そして、昨年の「NHK紅白歌合戦」の映像がHDDに残ってないか探してみた・・・
 
・・・残っていた!
 
 
今年6月、美輪明宏主演の「黒蜥蜴」の舞台を観に行った。
 
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脚本は三島由紀夫
 
三部構成の長丁場の舞台だった。
 
この作品、三十年くらい前から見たくて観たくてたまらなかった。
 
美輪明宏さん、と言うといつも死んだ母を思い出す。
母は、昭和30年代のOL時代の話をよくしていた。
 
友人と夜行列車に乗って東京に行ったそうだ。
街を歩いていて、すれ違ったか、目の前を歩いていたのか
『マルヤマアキヒロを見たんよ!こうシャナリシャナリ歩きよってね、綺麗じゃったんよ(広島弁)』
 
マルヤマアキヒロって誰なん?
と思っていたけど、突っ込むのも面倒臭く、聞き流すだけにしていたが、その後、心霊番組や、ミステリー雑誌に美輪明宏なる女装した人物が、とても説得力のある言葉で解説しているのを拝見し、この方が母の言っていた“マルヤマアキヒロ”つまり丸山明宏であり、後に改名した美輪明宏である、と認識した。
母は戦中、戦後に幼少期を過ごし、軍国主義の教育も受けている。田舎育ちで、女装する男性、同性愛者なる概念に対して、深い理解を示す進歩的な考えを持ち合わせてなかったと思うが、それでもこの美輪明宏氏を讃えていた。
ヨイトマケの唄がええんよ!』
とも、言っていた。
 
ヨイトマケの唄』ってどんなん?
とも聞き返すこともなかった。
 
暫く後、NHKで「黒蜥蜴」を観た。
美輪明宏氏が、女怪盗・黒蜥蜴を演じていた。
 
おお、これか!
 
江戸川乱歩好きの私は、三島由紀夫氏が脚本を書いたというこの舞台に感心を持ったが、東京でしか観劇出来ないことで諦めていたのである。
 
十年くらい前に「愛の賛歌」というエディット・ピアフの物語が広島に来たが、その時は観劇出来た。
しかし、どうしても「黒蜥蜴」は観たい、と言う願望は強く残っていた。
 
それが今年の2月、チケットぴあのメールマガジンで全国公演があるのを知った。
広島でも6月にある、と言う。
6月と言えば…車検、自動車税、固定資産税…前の月の5月には大阪に行くことも決まっている。どうやってチケット代を捻出しよう…。ボーナスを見込むしかないか、と考えに考えて、チケットぴあの先行予約の抽選に応募した。
幸い当選して、コンビニでチケットを買った・・・
後は無駄にしないように、体を壊さず、事故を起こさずを心がけることに専心した。
 
待ちに待った舞台。
昨年の「紅白歌合戦」で話題になったのも手伝って、会場は老若男女様々だった。
 
ロビーで沢山の本が販売されていた。沢山あってどれを選ぶか迷ったが、持ってないの見つけて買った。
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表紙をめくると
 
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  筆ペンのようなもので丁寧に、且つハンコまで押されていて、そのハンコには“臨兵闘者皆陳烈在前”  とあった。
  
舞台は三部構成で、長い物語だったが、女怪盗・黒蜥蜴と探偵・明智小五郎の対決は見モノだった!
 
母にも見せてあげたかった、と帰途についた。
 
もう一つ、美輪明宏、と言えば『ヨイトマケの唄
母が絶賛していたが、実は昨年の「NHK紅白歌合戦」まで聴いたことがなかった。
いや、数年前に米良美一さんが「波爛万丈」かなんかの番組で唄っておられたのを拝見したが、本家本元は聴いたことがなかった。
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 いつも煌びやかで金髪のいでたちだが、この時はショートの黒髪に、黒一色の質素な衣装。却って圧倒された。食い入るように画面を観た。
 
涙が出てきた。
 
唄(ウタ)かヘタ(下手)か分からないようなシンガーは最近減ってきたが、それでも胸に応える唄も減ってきた。
最近聴いた中では、いつまでも耳に残る唄の一つになった。
 
先週「海援隊トーク&ライブ」を拝見して、この唄を思い出し、記事を起こすことにした次第である。