ジークフリートの遊ぶログ

そそっかしくて、キーボードタッチのミスに気が付かないことが多く、過去に投稿した記事も観直しながら編集しています。

スーちゃんを偲んで

 
4月21日という日は忘れられない日である。
女優・田中好子、元キャンディーズのスーちゃんがお亡くなりになられた日である。
田中好子さんをストレートに“たなかよしこ”と呼ぶか “スーちゃん”と呼ぶかで年代が分かれると思うが、ボクは“スーちゃん”の方になる。
広島の遊園地のマスコットガールでもあり、ドリフの番組でポーズをとる陽気なお姉さん達・・・
キャンディーズとは、テレビの向こうで地球を守ってくれるヒーローに目を奪われつつも、同じブラウン管の中で唄い、踊る姿は、胸はペタンコ、スカートの中はブルマー、と言う色気を感じないクラスメートの女子たちと違って、異性というものを強く意識させられ、少し背伸びをしたいと願う、少年の成長にとって必要な存在だった。
しかし、ボク自身の成長がまだ十分でない子供の状態のまま、キャンディーズはテレビから消えて行った・・・
 
キャンディーズ解散後、スーちゃんはドラマや映画で活躍した。
中でも、映画「黒い雨」ではアカデミー賞を取り、その大きな力をボク達に示してくれた。
やはり、広島に深く関わっている、と感じた。「NASA-未来から落ちてきた男-」というドラマも広島が舞台だった。
テレビのスイッチを入れて、そこにいるのが当然、と言う存在だったけれど、突然の悲報に今でも時間が止まってるかのようである。
 
当日は青山葬儀場へ行くつもりで礼服も用意していたけれど、色々都合が悪くなって行けなくなった。
仕方なく、生放送のテレビの前でボクも葬儀に参列しているつもりでいた。
その時の、まさかのスーちゃんの肉声テープには驚き、鳥肌が立った。また、当日は大荒れの天気だったにもかかわらず、出棺の時には穏やかになったと言う。
まるでスーちゃんの人柄が表れたようだった。
火葬場へ向かう霊柩車に、ボクは心の中で青いテープを投げた。
まるで自分の姉ちゃんが死んだかのように嗚咽した。
 
スーちゃんは「年下の男の子」を唄ったけれど、段々とボクは年下でなくなるかも知れない。
あと何年、もしボクがつつがなく生きていき、スーちゃんの年齢を越えた時、元気で生きてきた自分をほめてあげようと思う。
スーちゃんはガンに勝てなかったけれど、ボクは自分の体を大切にしようと思う。
そう思うと、もしかしたらスーちゃんは、本当のお姉ちゃんのように、ボクの体をいたわり、応援してくれてるように思えてならなくなった。
 
ありがとうスーちゃん。