来日したルパン 黄金仮面編 ~不二子との邂逅
今は数が減ったが、かつては日曜日を除く毎日、2時間もののドラマをやっていた。
今でも健在なのがテレビ朝日放送の『土曜ワイド劇場』
その『土曜ワイド劇場』でシリーズものになったものがいくつかある。
今回、言及したいのは、“アルセーヌ・ルパン”と“明智小五郎”の対決を取り上げた「黄金仮面」という作品。
アニメ「ルパン三世」が果たして、フランスの怪盗紳士アルセーヌ・ルパンの実の孫であり得るのか、と言う、到って大真面目な疑問を解決する為に、こじつけを探している時に思い出したのが「黄金仮面」と言う小説。この中に不二子という女性が登場、ルパンと深く関わるのである。
発表されたのは昭和5年というから、この時来日したアルセーヌ・ルパンが種を残していけば、この時誕生した赤ん坊が、後に「ルパン三世」の親に十分なり得るという理屈に辿りついた。
昭和初期が舞台だが昭和53年にドラマ化された「黄金仮面」
タイトルは・・・
「妖精の美女」となっている。
出演は・・・
そして波越警部は荒井注さん。
他に出演は・・・
藤村有広さん 伊吹吾郎さん
この中にルパンこと『黄金仮面』がいる?
藤村有広さんの後ろには助手役の五十嵐めぐみさん、柏原貴さん。
そして、不二子の役は・・・
由実かおるさん
「水戸黄門」の角さんと、お銀は既に共演していたわけである。
「水戸黄門」で由実かおるさんと言えば入浴シーンが決まり事であるが、この作品でもある・・・
シャワーシーンではあるが、綺麗な肌だった!
この“美女シリーズ”は必ずと言っていいほど、入浴シーンがあり、出演している女優のヌードの披露が定番となっていたと思う。
原作を現代に置き換えて、わざわざ入浴シーンを取り入れ、男性視聴者を誘ったのかも知れない・・・
そして・・・
・・・山本リンダさんも出演。
この人は何者なのか!?
ドラマの後半で明らかになる。
物語は、大富豪の大島家に、先頃世間を騒がしている黄金仮面から予告状が届き、明智探偵事務所に執事(藤村有広)が相談に来たところから始まる・・・
(原作では“大島”ではなく“大鳥”)
このスリーショット・・・
古いドラマとは言え、このお三方、いずれも故人になられており、違った驚きを感じた。
黄金仮面は、大島家の所有する国宝級の仏像を盗み出そうとする。
だが、その前に大島家の三人娘のうち一人を入浴中に殺害。
こうして本格的に事件が幕を開けるのである。
不二子は二番目の娘であるが、姉や妹とは違う不遇の生い立ちで、負い目を感じている。
黄金仮面は、そんな不二子に取り入る?
それとも本気の恋なのか?
実は、黄金仮面はアルセーヌ・ルパンではない。
ドラマの中で明智小五郎は
『ルパン二世を名乗る〇〇〇は・・・』
と最後に明らかになる黄金仮面の下の素顔のキャラクター名を言っている。
19世紀から20世紀始めに活躍(暗躍)した世界的にも有名な怪盗紳士・アルセーヌ・ルパンを現代に登場させるには無理があるようだ。
『明智小五郎対怪盗ルパン』
というサブタイトルは、視聴者を誘い込む為のキャッチコピーにすぎない。
最近、スカパーでも放送され、30数年振りに拝見したわけだが、最近の2時間サスペンスや刑事ドラマに見られる、犯人の緻密なトリック、警察の科学的な検証があまりにも進化しているので、昔のこのドラマがとても単純に思えた。
我々の目が肥えてしまったのだろうか?
この「妖精の美女」を雑に作っているとは思わないが、実にシンプルな構成になっている。でも、この時代には、これはこれで面白かったのだ。
この「美女シリーズ」全33作品がDVD化されてるそうだ。スカパーでも放送されている。CGが使われることもある最近のドラマだが、実際に火薬を使い、一発勝負の体当たりの撮影が行われていた、この頃のドラマを振り返るのもいいかも知れない。
さて、この黄金仮面・・・
第二弾が後に制作されるのだが、次回に持ち越します。
思わぬ長い記事になってしまいました。
※「ルパン三世」ネタが予定より多くなってしまい、これからも増える可能性があるので、新たに書庫を作りました。