ジークフリートの遊ぶログ

そそっかしくて、キーボードタッチのミスに気が付かないことが多く、過去に投稿した記事も観直しながら編集しています。

「ルパン三世」~アルセーヌ・ルパンと日本の関わり

 
 前回の記事を再び・・・
 
ルパン三世は、怪盗ルパンの孫だと自称している。
怪盗ルパンとは、モーリス・ルブラン原作の「怪盗紳士ルパン」のアルセーヌ・ルパンのことだ。
つまりフランス人の血を引くクォーターと言うわけだ。
 
ルパン三世」は1967年に漫画アクションで連載開始、4年後の1971年にアニメ化されている。その後、二度のアニメレギュラー化。25本のスペシャル版、5本の劇場用作品が制作されている。
そこで、実際にルパン三世がアルセーヌ・ルパンの孫であることは年代的にあり得るのか?大真面目に疑問に持ち、検証したことがある。
 
次元大介石川五右衛門が仲間、また敵になり味方になる心惹かれている峰不二子という女性も日本人であることから、少なくともルパン三世は日本と言う国に深く関わりを持っていると断定する。
そして・・・
 
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      「劇場版ルパン三世VS名探偵コナン」より
 
・・・ルパン三世(以後、三世と省略)の瞳に着目。
黒い瞳であることから、少なくとも三世の両親どちらかが欧米人の特徴である青い瞳であっても、もう片方が黒い瞳の可能性がある。
つまりアルセーヌ・ルパンが青い瞳の持ち主で、三世の祖母も青い瞳であり、生まれてきた子ども、即ち三世の親、男女どちらかが青い瞳であっても、もう片方の親が黒い瞳であれば、劣性の遺伝子である青い瞳は受け継がれない。
劣性であるので孫の三世に青い瞳が出る可能性があるが、出てないとすれば、アルセーヌ・ルパンの瞳が黒かったか、祖母の瞳の方が黒かったか・・・
髪の色も同じである。一方が金髪であっても、もう片方が黒髪であれば金髪のハーフは生まれてこない。
確率的に言うと、黒い瞳黒い髪、しかも、アジア系を色濃く受け継いでいる採算が大きいと踏まえ、それらを前提にルパン三世の祖先を類推してみると同時に、初代ルパンことアルセーヌ・ルパンと日本との関係を検証してみる。
 
 
 
そもそも、モーリス・ルブランの「怪盗紳士ルパン」は既に大正時代には日本に入って来ている。
 
その時に紹介されたフレーズは『鼬(いたち)小僧』である。
江戸の義賊“鼠小僧”にあやかったのだろう。変装名人で、人をたぶらかすと言うイメージから『狸小僧』や『狐小僧』になりそうであるが『鼬(いたち)』とは滑稽である。
狸は置物に見られる男性シンボルの金玉、狐は女性的であることから、鼠に一番近いスマートな鼬にしたのだろう。
 
外国人の名前は日本人にとっては馴染みがない、と言うのが当時の翻訳時の配慮らしい。因みにガニマール警部は蟹丸(かにまる)警部らしい。
 
これ以外にも「アルプスの少女ハイジ」も「フランダースの犬」もキャラクターが日本人の名前に置き換えられている。
 
ハイジ→楓(かえで)
ロッテンマイヤーさん→村井さん
 
ネロ→清
パトラッシュ→プチ
 
などなど。
 
では、本家アルセーヌ・ルパンの国であるフランスでは「ルパン三世」はどう紹介されているのか?
 
ルパン三世」でなく「探偵泥棒エドガー」というタイトルで放送されているのだ。
さすがにアルセーヌ・ルパンの孫という設定は無理があるのか?
因みに次元大介はイジドール、石川五右衛門はヨキトリ、不二子はマガリー、銭形はガストンとなっている。
著作物に対してうるさい国ならでは変更である。
 
だがしかし、モーリス・ルブランは自身の作品の中で、アーサー・コナン・ドイルが生み出した名探偵「シャーロック・ホームズ」を勝手に登場させ、ルパンと対決させている。
無断での発表だから当然ドイルから苦情がくる。そこでシャーロック・ホームズの名前を“エルロック・ショルメ”に変えている。
前回の記事でのコメントで先を越されてしまったが、これからの説明に必要だったので前置きとして書かせていただいた。
 
ルパンとホームズの対決があるが、実は、ルパンと明智小五郎との対決も存在しているのである。
 
江戸川乱歩氏は昭和5年(1930年)にキングという雑誌に「黄金仮面」というタイトルで連載を開始、そこにフランスから来たアルセーヌ・ルパンを登場させ、美術品をめぐって、探偵明智小五郎との闘争を書いている。
 
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      ポプラ社発行「少年探偵シリーズ」
 
本来は大人向けに書かれたものであるが、これはポプラ社から『少年探偵シリーズ』として発行。子ども向けに脚色されている。
どんな内容だったか、実は覚えてない。当時、むさぼるように十何冊か『少年探偵シリーズ』を読んだものだが、恥ずかしながらそれぞれの詳しい内容は記憶にない。撮影の為に引っ張りだしたのだから、納める前にもう一度読んでみようかと思う。
 
ただ覚えているのはこの部分・・・
 
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フランス画を描く不二子という名の少女が登場。アルセーヌ・ルパンはこの不二子を誘拐するのである。
モンキーパンチ先生は「ルパン三世」を制作するにあたって、この事実を意識していたのだろうか・・・?
 
さて、日本に関わったアルセーヌ・ルパン。
連載開始の昭和5年(1930年)当時、1874年生まれの彼は56歳。
これらを元に前回と同様、略図を作ってみた。
 
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邪推になるが、もし、アルセーヌ・ルパンが大鳥不二子を誘拐した時、妊娠させていたら・・・。
フランス贔屓の不二子が、自分を誘拐したルパンが自分に殺意がなく、フランス人気質の紳士的な態度に、敵意はおろか、犯人に対して好意を持ってしまうストックホルム症候群という状況に陥ってしまったとしたら・・・
 
1930年14歳の不二子がルパンの子どもを妊娠、出産。
その子が男子であれ女子であれ、最速16、7歳で親になったとしてもその時は1946年。三世が誕生し、漫画アクション連載開始時の1967年には三世はまだ19歳~20歳と、とても若いのである。
アニメ放送開始を基準に考えても1971年には24歳のバリバリ青年期である。
 
もし、大鳥不二子から生まれた子どもが女の子として、ギリギリ45歳になった1975年に三世を出産したとしたら、その後のPART2、PART3のレギュラー以外にも続く、スペシャル版、劇場版に合わせて、三世の年齢をこじつけるのに十分計算可能なのである。男の子なら、50歳、60歳になる1980年、1990年に三世が誕生したとこじつけることも出来る。
 
さて、1930年に14歳だった大鳥不二子・・・
漫画アクション連載開始の1967年には51歳。
最初のアニメ化1971年には55歳。
もし健在なら2014年現在98歳。
 
三世が、幼少期に祖母の大鳥不二子に可愛がられていたとしたら、同じ名前の峰不二子に祖母の面影を求めて追いかけるているのだ、とセンチメンタルに考えると三世がとても可愛く思える。
 
三世を狙っての殺し屋だった次元大介石川五右衛門も三世を敵としていたが今は強い絆で結ばれた仲間である。裏切ったりふところに入って来る峰不二子。時には味方になる銭形警部・・・
これらが日本でウケるのは“将棋”のように小さな駒でも出世したり(成金)、相手から取った駒が味方になる面白さが好きな日本独特の文化の表れだと思う。
フランス人の陽気でプレイボーイの血を引いているが、日本人らしい「ルパン三世」はアルセーヌ・ルパンが日本にやって来た1930年に種を落とした、と考えたいのがベストと思うこの頃である。(あくまでもアニメを中心に考えてのこと)
 
ルパン三世」ネタまだ続きますが、次回は「ルパン三世」転じて番外の「黄金仮面」編を続編として紹介します。