ジークフリートの遊ぶログ

そそっかしくて、キーボードタッチのミスに気が付かないことが多く、過去に投稿した記事も観直しながら編集しています。

手塚治虫×石ノ森章太郎マンガのちから

 
広島県福山市・歴史博物館で特別展として「手塚治虫×石ノ森章太郎マンガのちから」が開催されている。
 
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新幹線で行くにはふところ具合が悪く、時も金なりなのだが在来線で行った。
2時間以上かかったが、在来線での往復代は新幹線片道分の代金にも及ばない。
 
雨が降っているまだ真っ暗なうちに家を出てJRに乗る・・・
段々外が白んできて、雲の切れ間から太陽が顔を覗かせ、8時50分過ぎに福山駅に到着した時には空はすっかり晴れ、傘が邪魔になるくらいだった。
 
福山駅北口を出て左に歩を進めると、遠目にもハッキリと見える看板に胸が躍った
 
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・・・右へ折れると・・・
 
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“ようこそ広島県立博物館へ”の金文字で書かれた入口と、
ドアのそばには・・・
 
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 ・・・島村ジョーとアトムが出迎えてくれた
 
もうこの時点で見入ってしまい、ジッと立って身動き出来ない状態。
 
中へ入ると・・・
 
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人が多くて、ゆっくり見て回れないだろう、と思って、開館の9時に合わせて予定をたてたのだが、平日だったこともあり杞憂に終わった。私がその日の一番最初の客だったようで、他には誰もいなかった。
受付を済ませると会場内にも・・・
 
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 ジョーとアトム、そして・・・
 
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・・・サファイアやフランソワーズ・・・
 
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・・・ンももくろだ
 
 
 
中へ入ってすぐの開催責任者からの挨拶文を一言一句じっくり読むことから始め、順路に沿って歩みを始める・・・。
 
手塚先生、石ノ森先生の生い立ちを紹介する年表、お二人がまだ幼い頃に描いていたスケッチや落書きに近いような肉筆画などを時代の順序に沿って紹介されていた。
お二人の幼い時からのその才能に、歩みを止めてショーケースの中の展示物から目が離せなかった。
 
手塚先生の「新宝島」の原稿・・・当時のものは現存してないが、リメイクされた時の原稿と、それを例にとった映画的手法という新しいマンガの表現を確立したことの説明文。実際の「新宝島」の単行本。「ロストワールド」「メトロポリス」「来たるべき世界」などの直筆原稿・・・
石ノ森先生の「二級天使」の直筆原稿・・・。
 
普段、我々はマンガを、紙に印刷されたものを立ち読みしたり、寝っ転がって気軽に読んだりしているのだが、鉛筆書きの上に貼られた写植文字、ホワイト修正の痕。ペン先を変えて太さを変えたと明らかに推測出来るペン入れ・・・
 
こういったナマの原稿を拝見していると、描かれているものは絵とかマンガとかで表現する薄っぺらいものではなく、マンガ家の先生達の魂のような感じがして目の前の原稿は“紙”でなく“神”のように思えて正直体が震えてきた。
 
同人誌「墨汁一滴」も初めて本物を拝見出来て感動
 
学童社の「漫画少年」の本物もあったし、昭和30年代の雑誌などの紹介もあった。少年マガジンや少年サンデーの創刊号も初めて本物を拝見。
 
漫画家たちの梁山泊トキワ荘の再現もあった。実際のものを70%大にしたものだがリアルだった。
 
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       ※チラシの写真を拡大してみた・・・
 
手塚先生の部屋、石ノ森先生の部屋も再現されていた。
沢山の映画パンフ、ステレオ・・・
 
トキワ荘で過ごしたマンガ家たちの紹介もあった。
顔写真と、195○年入居196○年退去、と言った説明文。
 
雑誌「COM」の紹介・・・
 
そしてコーナーは、アニメやドラマへと時代やテーマが変わり「鉄腕アトム」「リボンの騎士」などのオープニングVTR、石ノ森先生のポエム的なマンガ、「佐武と市捕物控」のVTRや直筆原稿。
マグマ大使」や「がんばれロポコン」「人造人間キカイダー」の原稿やVTR・・・
ワンコーラスのVTRだが全部観ないと気が済まず、全く歩みが進まない・・・
他に客が2人ほど増えたが、迷惑かけなくて良かった
 
コーナーは、お二人に影響を受けた各界で活躍している方たちのお二人の作品に関する展示へと変わる。
永井豪先生、ちばてつや先生、海外の作家などの作品。お二人との思い出を語った他の漫画家の先生方のエピソード文・・・。
 
最後、ショップに入った。
また最初から観たいが、再入場は出来ないのだ。
 
※今、思い出しながらキーを打っているのだが、次々に新たな記憶が甦り、紹介するのに枚挙にいとまがない!
 
後ろ髪を引かれる思いで、ショップの中で手ごろな価格で買えそうなものを見て回る・・・
石ノ森先生の複製画を店員さんは薦めるのだがン万円もするので、断念。
書籍類は他に手に入れるチャンスはある。
数分かけて考えた挙句、この展示会のチケットを保存する為のチケットホルダーと・・・
 
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                      裏
 
・・・ちなみにチケットはこれ…
 
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前売りだと800円・・・
 
・・・そして、やはり定番の図録を購入した。
 
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折り目をつけたくないので、可能な限り開けたページで、展示物を軽く紹介する。
 
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前述の「新宝島」や「漫画少年
           
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人造人間キカイダー」や「仮面ライダー」の設定資料。
 
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ブラックジャック」の『おばあちゃん』というエピソードの直筆原稿・・・
 
全ページ閲覧出来るよう配慮された冊子の設置もあって、ゆっくり読むことも出来た。このエピソード、涙が出てきてしまい、監視の学芸員のお姉さんの目が気になってしまった・・・
 
そして、
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実際のトキワ荘の写真パネル・・・
 
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石ノ森先生とお姉さんのツーショット。
綺麗なお姉さんだ
 
 
この図録、かなり分厚いのだが、これには更に別冊が付いている。
 
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お二人に影響を受けた方達からのメッセージ作品である。
 
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永井豪先生
 
 
この2冊で2300円。
紙質もいいし、お買い得だと思った。
 
帰途の間、漫画家になりたい、と思っていた少年時代を思い返した。
そして、アニメや特撮ドラマに魅せられ、創作、制作、と言った裏方に関心を持ち、色んなテレビや映画も見まくり、本も読んだ。
忙しい、を理由に何もしない日もあるのだが、あの頃のようなバイタリティーのある日々を再び取り戻そう、と自分を見つめ直すきっかけにもなった充実した時間だった。
 
今年もあとわずか。
来年は飛躍した年にしたいと思う今日この頃である。