ドラマ「ウルトラマンをつくった男たち」 その1
懐かしいビデオテープを探してみた。また、関連の資料を整理するのに随分時間がかかってしまった。
今回はこれを紹介してみようと思うのだが、複数回に分けてストーリーや関連資料、VTRを追い駆けてみたい。
今、改めて見直してみても驚きのドラマがこれ。
平成元年3月21日放送の特別番組・・・
一度録画したものを、カテゴリ別に別のテープにダビングしたものなので画像は悪く、更にノイズがあります。
・・・「ウルトラマンをつくった男たち」
もう26年経つのか!
監督である実相寺昭雄氏の自叙伝的フィクション小説のドラマ化。
原作本はこれ・・・
・・・ドラマのサブタイトルになっている
「星の林に月の舟」がタイトルになっている。
昭和が終わって、新しい“平成”という時代を迎えたばかりの時に放送されたものなのだが、僅か3ヶ月前の“昭和”という時代を早くも振り返る感を大きくさせるドラマだな、と当時思った。
放送は平成元年3月だが、おそらく、撮影中は、まだ昭和だったのかも知れない。
主な出演は・・・(名はモデルになった実在人物名・敬称略)
TBSブロデューサー・片山 円谷ブロ本編助監督.アパッチけん
:斉木しげる(栫井巍プロデューサー)
(市川利明、及び末安昌美)
(成田亨)
その他・・・
音響効果係:高田純次 その妻:友里千賀子
雑誌記者:泉谷しげる 雑誌記者:小坂一也
更に・・・
ムラマツキャップ・小柳昭三役 ハヤタ隊員・黒河進役
アラシ隊員・石井豆吉役 イデ隊員・二条達也役:
この二人はビシバシステム
フジ隊員・桃井浩美役:実相寺吾子(桜井浩子)
「宇宙刑事シャイダー」でも有名。
そして、スタッフの機電担当役・・・
・・・この方、赤木優さんは、満田穧(かずほ)監督の娘さんである。
他に、吉良平治の元カノの女優を国生さゆりさん、TBS制作部で時代劇専門の演出担当役を永島敏行さんが出演されている。
物語は・・・
TBS社員である吉良平治のあまりにも奥深過ぎる演出の為にスタッフも視聴者も大変困惑している。
例えば、恋人同士の行く末が困難な道のりになる、ということを表現する為に、ラストシーンで抱き合う二人の頭上から雪を降らせるのだが、実は季節の設定は真夏・・・
どうも吉良の感覚にはついて行けない。
また、歌謡界の女王の歌唱シーンでは、顔面をカメラでどアップにとらえ、汗をかきながら懸命に唄っている姿を伝えたい、と言う感覚も理解出来ない・・・
吉良は、金子課長(伊東四朗)から叱咤される・・・
・・・ 叱咤されているシーンだが、画面右下に出ている“S(ステレオ)”の表示が時代を感じさせる。
そして“歌謡界の女王”とは美空ひばりさんのことで、彼女の写真がこの時、画面に現れ、顔の部分が実際にどアップになる。
確かに大いな違和感を感じる。
まさか、三ヶ月後の6月に彼女が亡くなられるとは、この時、思いもよらなかった!
金子課長は、吉良に円谷プロへの出向を命じる。
へこむ吉良平治・・・
しかし
「これからは宇宙を相手にするんだ」
と、円谷一郎に諭される。
原作の冒頭
“そらの海に 雲の浪立ち 月の舟 星の林に漕ぎ返る見ゆ”
遥か昔、柿本人麻呂によって詠まれた唄である。その頃から人々は既に宇宙を意識していた、と感慨深くなる吉良平治。
スタジオでは、戦闘機による空中バトルシーンを撮影していた。
・・・特撮の世界に圧倒された吉良平治。
辞令のまま円谷プロに出向することを決意する。
次回作からはカラー放送になること。怪獣を倒す為に等身大となる巨大なヒーローを登場させること。
新しい巨大なヒーローのデザインを手掛けるのは、黒部進さん演ずる池田。いくつか案が出来上がっている。
「ウルトラマン」が具体的に出来上がっていく。
続いては、声・・・
吉良はこれら全ての頭文字をつなぎ合わせて
「シュワッチ」
にすれば、と提案。これがあっさり採用されるのだ。
「シュワッチ!」
撮影は進む・・・
・・・吊るされたまま、火花に包まれてもがくウルトラマン。
そして、ようやく第一話の放送!
実際のテロップ
「ウルトラマン」は好評となり、いよいよ吉良にメガホンが託されることになる。
その2に続く・・・
※スマホでは一部、文字化け、または画像がずれているしているかも知れません。