コロナに向かった時・・・6回目
今回の記事は、本来もっと前に投稿するつもりでした。
コロナが東京に集中して、小池都知事が『首都封鎖』という言葉を発した時に思い出した映画と小説です。
それまでに『復活の日』のDVDを観たり、原作本を読み直していたり、その後も『アウトブレイク』や『感染列島』などのDVDを観て、原作本も買ったりして、今回の記事投稿は後回しになってました。
映画『首都消失』は、地上波で観たことはあるのですが、何故かあまり印象に残ってませんでした。
・・・で、DVDや原作本をネットで探しました。
この映画を知っている人が検索したり、Amazonなどで購入したのでしょう、随分と高値がついていました。
BOOK OFFにはなくて、どちらもヤフオクで手に入れました。
DVD
原作本 徳間文庫
何で、印象に残ってないのか・・・
視聴していて思い出しました。
原作:小松左京
監督:舛田俊雄
特撮監督:中野昭慶
出演:渡瀬恒彦
名取裕子 他
あらすじ
ある日、東京都を中心とする半径30キロメートル、高さ2000メートルの雲のような黒い物体に覆われてしまう。
雲のようだが、外部から圧力をかけても、撥ね返してしまう。
竹竿をつけた車で突っ込むも、途中で強力なバリアみたいなものに阻まれて、突き進むことが出来ない。
ピストルの弾さえ弾き飛ばしてしまう。
上空を飛べば、雲の内部からレーザー攻撃されて、観測飛行機が墜落させられてしまう。
雲の中にいる人々はどうなっているのか? 電波も届かず、安否を確認することも出来ない。
首相を始め、日本の中枢を司る政府関係者も雲の中。
雲の正体を探るのもさることながら、指示命令系統のトップである首相不在の中、外交代行は誰が握るのか?
映画では、ニュースキャスターの名取裕子や、大手電気技術開発会社に勤務する渡瀬恒彦。それぞれの家族の絆を前面に押し出していて、肝心の雲を探る描写が軽い感じがする。全てが東京一極に集中している為、臨時だとしても誰がリーダーを担うのか、細かく表れてない。
首都・東京を失った日本、という国を今、どう動かしていくのか?
映画では曖昧。
東京湾を挟んだ対岸では、露店を出して見学するバカ騒ぎ。今で言うなら、他人事のようにスマホを向ける野次馬たち、と言ったところか。
原作では、各道府県知事が集まっての会合が細かく描かれている。
のだが・・・ダラダラと会話が続いていて、一気に集中して読まないとおいてけぼりにされそう。
外国からは、無防備になった日本につけこんでいくつもの戦艦が押し寄せて来る。
シュミレーションとしては深く追求し過ぎていて、ドラマらしいドラマとしての展開が薄延ばしになっている感があるものの、やはりこういう段取りになるんだろうなぁ、と読後感。
結局、映画も原作もラストは・・・
しかし、この作品で小松左京氏は多大な評価を受け、その年のSF大賞を受賞している。
細かすぎるシュミレーションや情景描写は、小松作品の大きな特徴であるが、その執筆時に使用されている最新テクノロジーへの調査能力には脱帽する。
この記事の文章のプロット作成もままならない時に“アラート解除”“Go to トラベル”が施行され『首都封鎖』の言葉がかすれてしまった感じがして、今回の投稿が躊躇われました。
コロナの脅威に疲弊したこの国に、追い打ちをかけるかのような、かつてない大きな台風が上陸しましたが、映画の流れを大きく変えたのが“台風直撃”でした。
踏んだり蹴ったりの2020年でしたが、残った4ヶ月。少しでも早く落ち着くことを祈りたいです。